海への想像力。そして、海の創造力。
海という場所からの連鎖は、地上の大部分とのつながりを保たせてくれる。
そのごく一部の自然の光景が、海への眺めの中に、含まれている。
流れ、流される。
畏れられ、豊穣の恵をもたらしてくれる。
海の中の進化の歴史。人間の身体の一部は、海の歴史書なのかもしれない。
海の人。常に、海を感じながら陸地で暮らしている人。
海底に沈んだ、人間の魂。
その魂が、海の中で新しい生命へと循環を遂げる。
生命と人間の遠い起源は、海もまた、記憶している。
貝殻を拾い、石を磨き、模様を刻む。海から得たものに手を加え、意味や願いを託す。
そこに、装飾や造形が生まれる根源を見い出した人類
海面の下には、目に見えない広大な世界が広がっている。
海を、既知と未知、生と死、現実と想像の境界として捉え、
そこから未知の名前のない感覚を呼び起こす。
海に接した時に生まれる、その名前のない揺らぎ続ける揺蕩いの感情は、
私たちそのものの海の記憶なのである。


