これまでは立体作品を中心に制作に取り組んだり、反対に絵画へと表現の軸を移したりしてきた。どちらも自分がやりたいことではあったけれど、どちらか一方の表現が自分にとっての正解というわけではなかった。
本当は心の奥底で、立体と絵画、その両方が結びついて初めて自分の作品になるのだと感じていたのだと思う。
そして今、その感覚がようやく具体的な形として現れ始めていることが、自分の中でもとても嬉しく、大きなやりがいを感じている。
最近は和紙を購入し、異なる2種類の紙の性質を比較していた。
一方は表面がつるつるしていて、横方向に引っ張る力には非常に強いものの、面に対して垂直に突き破る力には弱い。もう一方は、横方向に引っ張る力には弱いけれど、繊維が複雑に絡み合っているため、突き破る力に対しては前者よりも少し強い性質を持っていた。
そのうち、表面が滑らかな和紙を使い、素材研究を兼ねて、絵の具の滲みやぼかし、ベタ塗り、重ね塗りによって生まれる表情の違いを確かめていた。同時に、紋様やパターンの構成、そこから広がるイメージについても試行錯誤を重ねていた。
それ以前から、ずっとアイデアを描き留めてはいたものの、なかなか納得のいく形が思い浮かばず、頭を悩ませていた。
2日間考え続け、3日目の終わり頃になって、ようやく頭の中にあったイメージが視覚的な形として見え始めた。そして、装飾と立体の関係が、少しずつうまく結びつくようになってきた。
自分の作品は、立体だけでは完結しないし、表面に施された紋様やパターンだけでも完結しない。
これまでも、そうした表現を実現したいと思っていたけれど、なかなか形にすることができず、いつしかその思いさえ忘れかけていた。
立体の形状によって、表面に施された紋様の見え方が変化する。そして反対に、その紋様によって立体の奥行きや、細かな形状の見え方にも変化が生まれる。
立体と装飾が互いに作用し合い、それぞれの存在を引き立てながら、一つの造形として成立していく。
その二つの関係が、表現としてぴたりと重なったとき、自分が作品に込めたいものと、装飾によって表したいものが自然に結びつくのだと思う。
ようやく、その感覚を具体的な形として捉えられるようになってきた。
これまでの制作では実現できなかった、自分にとって新しい表現の可能性が見え始めている。